各国が経済を再開し始めるなか、新型コロナウイルス感染拡大の抑制に欠かせないマスクは欧米でなかなか市民権を得られずにいる。一因は政府とその科学アドバイザーにある。布や紙製のシンプルなマスクが安くて効果的なコロナ抑制策だと推奨する研究者や政治家は、マスクの利用に関する初期の公式見解の混乱や、根深い文化的な要素が全体的な普及を妨げていると話す。多くの欧州諸国や米国の州は、店舗や公共交通機関でのマスク着用を義務化しているが、研究によると、義務でない限りしたがらない人が多い。調査によると、これらの地域ではマスク着用に対する前向き度は横ばいで、低下し始めているところもあり、全面的な普及には程遠い。北欧の住民は、感染がより深刻な地中海地域の人に比べてマスク着用への抵抗度が高いようだ。調査会社ユーガブが2月から5月下旬に発表した調査結果によると、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドでは、日常的にマスクをしているとの回答は10%未満だった。
欧米のマスク着用、いまだに浸透しない理由
根深い文化的要素、当初の政府見解にも一因
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