米戦略石油備蓄(SPR)の40%を放出すれば原油価格を速やかに押し下げられるとホワイトハウスが期待していたとしても、それは実現していない。国際エネルギー機関(IEA)加盟国が協調して緊急備蓄から4億バレルの原油を放出し、そのうち米国が約半分を拠出するとのニュースは、原油価格にほとんど影響を与えなかった。4億バレルという数字は大きく見えるが、ホルムズ海峡を通過する原油の損失分を補うには全く足りない。アナリストらは、IEA加盟国の放出により、合わせて日量約300万バレルの原油と石油製品が市場に出回ると予想している。しかし、調査会社ライスタッド・エナジーのバイスプレジデント、ジャニブ・シャー氏によると、同海峡を迂回(うかい)してパイプラインで輸送できる原油の量を考慮しても、現時点で日量900万~1000万バレルの原油がホルムズ海峡の内側に閉じ込められている。