デジタル化は手段であり目的ではない

 世の中には便利なお部屋探しポータルサイトが多数存在する。探したい人はそこに予算や希望するエリア、築年数、間取りなどを入れて検索をすると、条件に合った物件が出てくる。

 家でも通勤電車の中でも部屋探しができるのは大変便利だが、検索して見つけた部屋の大家さんと直接コミュニケーションできたという人は少ないのではないだろうか?

 要因はポータルサイトが「不動産業者のための営業ツール」になってしまっているからだ。部屋を探す人と大家さんをつなげるツールではないのだ。実際にポータルサイトで部屋を検索して問い合わせをしてみるといい。

 昼間なら数分後にはその物件を掲載する複数の不動産仲介店からガンガン電話が来て、自社窓口への来店を促されることだろう。

 ワクワクしながら不動産店を訪れても、該当物件をポータルサイトに載せている不動産業者は複数おり、該当物件は熾烈な早いもの勝ち競争の中にいる。契約はおろか、内見できる可能性さえ低い。

 そして訪れた不動産店は、不動産業者だけに流通しているデータベースからお客さんの条件を元に『ポータルサイトに載っていた物件の代わりとなる物件』を探していくのだが、そこに大きな問題がある。「条件をデジタル化してしまうことによる機会消失」だ。

「ペット不可としている大家さんは、『ペットがダメ』なわけではない場合が多いのです。根本は『部屋を汚されることが怖い』ということなのです。1匹でも10匹でも変わりません。そこは大家さんと借りたい方がしっかりコミュニケーションを取ることにより解決できる場合も多いのです」(大友さん)

 不動産業者が使うデータベースには「ペット相談」というチェックボックスがあるだけだ。その項目で、大家さんから物件を引き受けた不動産業者が「機械的に」選別をしてしまうのだ。当然ながら、「ペット相談」というチェックボックスにチェックがつかなかった物件は、永遠にペット可物件を求めるお客さんに紹介されることはない。

 実際に方々の不動産店から「貸す部屋がない」と断られた、犬を6匹飼う方が「ウチコミ!」にある大家さんと直接チャット機能を使ってコミュニケーションを取り、現在住んでいる部屋の写真を送信したところ、すんなりと決まったという。大家さんは「こんなにきれいに使ってもらえるなら犬が6匹いようと全く問題ない」と判断したのだ。

「消費者の方の感情はアナログなんです。そこをインターネットという手段を使ってつないでいくのが我々のサービスです」(大友さん)