かつては「蜜月時代」もあったマハティール前首相(右)、アンワル元副首相(中)、ムヒディン現首相
かつては「蜜月時代」もあったマハティール前首相(右)、アンワル元副首相(中)、ムヒディン現首相(アンワル氏の個人サイトから)

香港がイギリスから中国に返還された日の翌日1997年7月2日は、タイの通貨バーツが、米ドルに連動するドルペッグ制から変動相場制に移行し、アジア通貨危機が始まった日である。それは間もなくアジア各国に波及し、一斉にアジア売りが始まる。バブル後遺症からの回復を目指していた日本経済にも影響し、「失われた20年」とされる長期経済低迷に突き進むきっかけともなった。震源地の一つマレーシアでは、当時のマハティール首相が独裁色を強め、側近だった副首相の首を取る政変まで起こっている。あれから23年。同国では今も変わらぬ政治家たちが終わらない権力闘争を続け、混迷の度合いを強めている。(バンコク在住ジャーナリスト 小堀晋一)

同性愛の罪で
禁錮9年の判決

 アジア通貨危機時、マレーシアの第4代首相にあったマハティール氏は当時71歳。81年に首相に就任して以来すでに16年が経過していた。

 歯に衣着せぬ弁舌は欧米の首脳をも時にたじろがせ、日本の高度経済成長に学ぶ「ルックイースト」政策や21世紀初頭での先進国入りを目指す「ビジョン2020」を推し進める姿は、20世紀最後の東アジアの奇跡とさえ称賛された。