新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機は政治と経済に対し、「隕石が地球にぶつかる」くらいの衝撃を与えている。だが金融市場に対しては、その衝撃は隕石というよりも小石程度だ。  S&P500種指数は第2四半期に20%上昇し、四半期ベースの上げ幅は1998年第4四半期以来の大きさとなった。だがこれは実質的に、米国株が史上最速で弱気市場入りした前四半期に20%低下したところから回復したにすぎない。両四半期を合わせた半期ベースでは、米国株は4%の低下。景気後退の深刻さを踏まえれば、特筆するほどでもない。  さらに、勝者と敗者の構造も過去10年とまったく変わっていない。