中国の大手半導体メーカーが株式市場から資金を取り込んでいる。世界の技術競争を勝ち抜くのは、それよりはるかに難しいだろう。香港市場に上場している中国の半導体受託製造大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は、上海市場で同社株の4分の1に相当する新株を発行し、オーバーアロットメント(追加売り出し)を含めて最大75億ドル(約8100億円)を調達する計画だ。調査会社ディールロジックによると、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」への同社上場は世界的にも今年最大規模で、中国本土の証券取引所では10年ぶりの大型上場となる。香港市場のSMIC株は人気を集め、今年に入り3倍余りに急伸している。このため同社は、2カ月前に新株発行を承認した際に予想していたよりはるかに多くの資金を調達することが可能になった。逆説的だが、上海上場に伴い予想されるバリュエーションが高まったことは、同社株がこのところ極めて好調な理由の一つでもある。