フランス人が未知の領域に進出している。それはフランスだ。毎年夏、フランスのバカンス客は自国を鼻であしらい、遠く異国の目的地を目指す。そのため、世界有数の観光国であるフランスは外国人観光客の遊び場と化す。つまり多くのフランス人は、1度もエッフェル塔に昇ったことがなく、モンブランの山頂からの眺めを楽しんだことも、ニースの海岸遊歩道プロムナード・デ・ザングレをぶらついたこともない。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)のため世界の国境の再開は流動的だが、フランス人は突然フランスを手にした。そしてフランスの何がそんなに良いのか見極める時間だと決めた。仏コンサルティング会社プロトゥーリスムが先月公表したフランス2000人を対象にしたバカンス調査によると、今年の夏はフランスでのバカンスを計画しているとの回答が86%に上った。