中国が南シナ海で主張している領有権を巡り、米国は正式に反論する方針だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。中国政府がこの戦略海域の支配強化を目指す中、米政府は一段と強硬姿勢に傾いている。米政府はこれまでも、中国政府が南シナ海の大部分で領有権を主張しているのは違法だとの見方を示していた。関係者によると、国務省は中国の具体的な主張について初めて正式に否定するポジション・ペーパー(政策方針書)を公表する準備を進めている。米国は南シナ海の領有権問題でどの国にも加勢しない立場を維持してきたが、こうした意志表示は過去の慣行からの決別となると関係者は語った。ペーパーは週内に公表される可能性があるという。2016年には、中国政府が南シナ海の大部分で歴史上・経済上の権利を主張していることに対し、法的根拠はないとの判断が国際法廷で下っている。