パイロットなら誰もが想像するであろう最悪の事態に対する解決策は案外、近づいているかもしれない。趣味で飛行機に乗る人は今や、緊急時に自動で安全に着陸できる飛行機を買うことができる。航空安全の専門家は、混乱したり操縦不能になったりしたパイロットが1回のコマンド――「大きな赤いボタン」を押すこととも言われる――でコンピューターにすべてを任せる未来を長らく想定してきた。それにより、墜落を避け、飛行機を早急に着陸させるのだ。コックピットでの次の大きな飛躍は意外な場所に現れつつある。ウィークエンドパイロットが使う単発エンジンプロペラ機だ。このシステムは飛行機のスピードとエンジンのパフォーマンスを自ら管理でき、その間に一番近く、着陸に適した空港に向けて降下する。人が情報を入力しなくても、コンピューターは管制塔とやりとりし、正しい滑走路の空きを待ち、着陸装置を準備する。しかもその間、嵐や地形上の問題を避け、必要であれば待機経路に入る。着陸後は、他のセンサーが作動して自動的にブレーキをかけ、エンジンをシャットダウンすることになっている。