結果至上主義の企業からイノベーションは生まれないPhoto:PIXTA

「失敗学」「創造学」のエキスパートである中尾政之・東大大学院教授が、新著『東大式 アイデアがいままでの10倍出せる思考法』の中から、アイデアのアウトプットを増やすための「思考法」を提示していく。今回紹介するのは、「プロセス重視思考」。ビジネスの世界で重視される結果主義とは逆に、プロセスを重視することで、どういうメリットが生まれるのか?

結果主義が行き着いた先が
“コピペ”の横行

 結果よりもプロセスを重視する。評価する。

 こういうと、世の中のビジネスパーソンは「仕事の世界はそんなに甘いものじゃないよ」などと反論するかもしれない。

 実際、日本の受験教育も「いかに勉強してきたか」ではなく、入試などのテスト結果ですべてが決まる完全な結果主義だ。

 しかし、その結果主義が行き着いた先が、最近の大学に見られる試験や論文の「コピペ解答」の問題ではないかと思ってしまう。

 ネットにある情報をコピーしてきて、それを貼りつけただけのものをレポートや卒業論文として提出する。学生ばかりが責められるが、それを見抜けずに合格点を与えてしまう先生も悪い。むろん大学教授が世界中の論文すべてを読み切れるわけはないが、見抜く方法はある。