東京大本郷キャンパスには数多くの門があるものの、入学手段は限られている(写真は赤門)

2020(令和2)年度入試で、東京大は5回目となる推薦入試を行う。この年は大学入試センター試験最後の年でもある。過去4回の推薦入試を振り返り、どの高校から合格者が出ているのか、合格者数でランキングを作成した。一般入試以外ほとんど実施してこなかった東京大は、今後、何を目指していくのだろう。(ダイヤモンド・セレクト編集部)

東大推薦で合格者数上位の高校

 東京大の募集人員(2020年度)は、一般入試で2960人、推薦入試で100人程度、外国学校卒業学生特別選考(私費外国人留学生と帰国生が対象)で若干名となっている。

 前回、国立大「AO・推薦入試」対応度ランキングで見たように、国立大学協会は、2021年には一般入試以外の選抜による入学者の割合を30%にしよう、という目標を立てている。しかし、東京大は募集人員ベースで3.3%、後述するように合格者ベースでは2%強と目標値とは大きくかけ離れている。

 一般に、推薦入試での合否判定は書類選考と小論文や面接などの試験で行われているが、東京大の場合は大学入試センター試験の点数も加味されるため、センター試験の受験が必須となっている点もユニークである。国立大の場合、指定校推薦はなく公募となるので、学力を担保する手段として活用されているのだろう。

 どこの高校から合格者が出ているのか。大学通信提供のデータで合格者数ランキングを作成した。すでに4回実施された推薦試験では累計283人が合格している。残念ながら、うち8人については出身高校名が不明となっている。合格者数は募集人員の7割前後で、残余の募集枠は一般入試に充当されている。ちなみに、合格辞退者はこれまでゼロ。母校の代表として臨んでいる以上、辞退は許されないのだろう。

 推薦入試の基本方針としては、「学部学生の多様性を促進」することで、「学部教育のさらなる活性化を図ること」に主眼が置かれている。現状に即してみれば、大都市圏の中高一貫校卒業生の占める割合が大きくなる中、女子と地方の比率を高めることが意図されていると見ていいだろう。

 東京大の推薦入試は、各校男女1名ずつの学校長推薦となっている。共学校なら男女2人、別学校なら1人が応募できる。別学校は4年間の累計で最大4人となる。そのため、ランキング上位10校はいずれも共学校である。

 1位は累計7人の県立広島である。学部で見ると、教育3、法2、教養と工が各1となっている。広島の進学校というと、国立広島大附属の2校(広島、福山)、私立では広島学院、修道、ノートルダム清心、広島市立基町などが有名である。これまで県立高の影が薄かったが、県立広島は満を持して新設された。東広島市にあり、寮も併設している。2004年の開校からまだ15年なのだが、全国トップの東大推薦合格実績を誇るまでになった。

 2位は都立日比谷。5位の県立秋田・磐田南・岐阜・長崎西と同様、地元のトップ校だ。同じく2位渋谷教育学園渋谷、5位市川はいずれも別学から共学になった私立校である。国立の2校も全国ランキングの常連校である。