FRB 米国連邦準備銀行Photo:PIXTA

 米連邦準備制度理事会(FRB)は28~29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、さらなる景気刺激策の方策について話し合う。ただ、当局者は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が米経済に及ぼしている影響をさらに見極めるまで、政策の現状維持に異論がないことも示唆している。

 FRB当局者のインタビューや公開発言からは、FOMCでの討議次第で、いかに迅速に計画をまとめられるかが決まる可能性がうかがえる。計画は今秋、9月かそれ以降のFOMCで発表されるだろう。

 方策を巡りFRB当局者が熟慮すべき課題は3つある。

 1つ目は、いつまで政策金利をゼロ近辺に据え置く計画かを示すことだ。2つ目は、2008年の金融危機後にしたように、買い入れる米国債とモーゲージ債の構成をより長期の債券に変更することで、そうした支援を強化すべきかどうか。そして3つ目は、長年FRBが実施している長期政策戦略の設定方法の見直しを完結させることだ。

 複数の当局者は、景気見通しが晴れれば、最初の2つの項目に関して計画をより明確にすることができると述べている。だが、景気見通しは依然として極めて不透明だ。回復が根ざしているか、あるいは景気が悪化に向かっているのかなどによって、判断が変わる可能性がある。