FRBは積極的な金融緩和
しかしドル円は大きく下落せず
米連邦準備制度理事会(FRB)は2019年後半から利下げを続け、20年3月からは新型コロナウイルス感染拡大への対応として追加利下げに加え、流動性供給、量的緩和(国債買い入れ)、信用緩和(CP、MBS、社債、ETFなどリスク資産の買い入れ)、企業向け貸し出し支援といった追加緩和措置を大規模かつ矢継ぎ早に発表。市場センチメントを下支えした。
もっとも、FRBの金融緩和による米金利の低下やバランスシートの急拡大にもかかわらず、ドル安は持続的ではなかった。ドル円は、FRBが19年7月に利下げを開始した後に、むしろじり高に。今年の3月9日に、一時101.19円まで下落したが、足元ではFRBが利下げを始めたときとほぼ同じ水準である107円前後で推移している。
FRBのバランスシートは、金融緩和によって急拡大しており、拡大ペースは日銀をはるかに凌いでいる。FRBのバランスシートの急拡大は、リーマンショック後も起きたが、その際には市場でドル流通量の急増が想起され、ドル安につながった。しかし今回の場合は、ドル安の動きは限定的である。