米国 中国
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 トランプ米政権がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖に動き、中国側が報復措置として成都市の米総領事館の閉鎖を要求した。これは2国間の関係として世界で最も重要な米中関係を現在特徴づけている外交上の不和の新たな一幕だ。マイク・ポンペオ米国務長官は23日、中国の透明性が大きく改善されることに賭けた米国の何十年にもわたる試みが壁に突き当たったことを、はっきりと確認した。それは、香港情勢から華為技術(ファーウェイ)の行動に至るまでのさまざまな展開を注視してきた人々にとっては、以前から明白なことだった。

 各国政府は在外公館を通じて秘密裡に活動を行うことが多い。しかし米国は中国のやり方について、外交の枠を越えた諜報(ちょうほう)活動やスパイ行為を日常的に行っていると指摘。米国は23日、ビザを不正取得したとして4人の中国人研究者を訴追したと発表した。彼らは人民解放軍との関係を偽っていたという。このうち1人はこれまでニューヨークの中国総領事館と連絡をとっており、もう1人はサンフランシスコの中国総領事館に保護を求めた。

 ヒューストンの中国総領事館の活動内容は不透明だが、米当局者らによれば、米南東部での研究成果の盗用を指揮する上で重要な役割を果たしていたという。先週明らかになった事件では、中国国内のハッカーらが、米国の新型コロナウイルス・ワクチンの研究を標的にしていた。ヒューストンは、医学分野の研究の中心地の1つであり、昨年にはテキサス大学MDアンダーソンがんセンターが、中国政府との研究上の関係を明かさなかったことを理由に3人の研究者を追放した。ヒューストンの中国総領事が、以前オーストラリアに駐在していたことは注目に値する。オーストラリアは、対外的影響力の拡大を目指す中国の活動について最初に警鐘を鳴らした西側諸国の1つだった。