PCR検査の問題点を指摘する研究者は、ほかにも少なくない。

 たとえば、臨床医である国立大学病院の内科系教授は、PCR検査では遺伝子配列の2カ所だけ同じなら陽性になるので、何年も前から日本に存在して風邪の原因になってきた別のコロナウイルス(土着コロナ)でも陽性になると指摘する(『土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声』)。

 その結果、真の意味での感染者である「新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者」だけでなく、(1)土着コロナによる風邪の患者、(2)土着コロナの保有者、(3)新型コロナ以外が原因の肺炎患者で、土着コロナの保有者まで「新型コロナの感染者」になってしまうというのだ。

 この教授は、PCR検査は「微量であっても存在するDNAを検出する方法」であって、「ウイルスを疫学的に検出する方法」ではないとし、世界がいま初めて経験しているのは、「新型コロナウイルスの脅威」ではなく「PCR検査を大規模に疫学調査(集団を対象に病気の頻度や特徴を調べること)に使う恐ろしさ」だと書いている。

 このような意見については「誤り」「不正確」とする研究者もいる。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)はきちんと説明すべきだろう。

(ジャーナリスト 岡田幹治)