仕事に関連して従業員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡したケースで、企業が遺族から訴えられる例が全米で出始めている。事業再開に伴う法的責任の側面で企業新たなリスクを示すものだ。3月に新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が深刻化し始めて以降、ウォルマート、セーフウェイ、タイソン・フーズなどの企業や一部の医療施設が、重過失、不法死亡などで訴えられている。死亡した従業員の遺族たちは、企業が致死性のウイルスから従業員を守らなかったと主張し、家族への補償を求めている。新型コロナに感染したが回復した従業員も、治療費や将来の所得の補償、その他の損害の賠償を求めて訴訟を起こしている。こうした訴訟に対し雇用主側は、従業員の健康チェック、マスク着用の要請、職場の消毒、入店可能な客数の制限など、さまざまなウイルス対策を採ってきたと主張。一部の雇用主は、従業員がどこで、どのような状況でCOVID-19に感染したのかを突き止めることは、特に国内の感染がさらに拡大している現状では、不可能だと指摘している。