イランやロシアの制裁対象原油を積んだタンカーが世界を行き交う中、その背後にいる不法取引に関わる船主らは、乗組員を監視し証拠を隠蔽(いんぺい)するために、さまざまなデジタルツールを駆使している。米沿岸警備隊のサイバー対策チームが発見したこれらの慣行により、いわゆる「ダークフリート(闇の船団)」の船舶は、その脆弱(ぜいじゃく)性を悪用して爆発や原油流出を引き起こしかねない悪意ある第三者の脅威にもさらされている。これまで報道されていなかった沿岸警備隊の発見は、密輸組織の幹部らが物理的な安全対策を怠る一方で、悪用やハッキングが可能な情報システムに依存しているという実態を浮き彫りにしている。これにより、一部のタンカーは、環境、周囲の船舶、そして自らの乗組員に対して、これまで認識されていた以上にはるかに危険な存在となっている。