ドナルド・トランプ米大統領は、今回のイランとの戦闘終結に向けた暫定合意の覚書を現代の和平協定だと大げさに宣伝しているが、世界はこの合意を、戦争目的を達成できていない段階でのトランプ氏の戦略的な撤退だと受け止める可能性が高い。ホルムズ海峡を開放させるためにトランプ氏は、核開発計画を巡る交渉を行うとだけ約束したイラン側の主張を受け入れた。報道機関の大半は当初から敵対的だったが、本紙はトランプ大統領のイラン政策を支持してきた。そうしてきたのは、核を保有したイランは世界の安全を脅かす存在になるからであり、また米国の大統領が戦争を始める際には成功してほしいと願っているからだ。他の誰も行おうとしない武力行使をいとわないトランプ氏の姿勢は、イランの核開発計画や軍事力、産業基盤を後退させてきた。その結果は「オバマ合意2.0」ではない。2015年当時とは異なり、イランの主要な核施設は現在、がれきの山と化しており、同国のウラン濃縮活動が20年ぶりに停止されているからだ。今トランプ大統領を激しく非難するメディアの批判者や米民主党は、北朝鮮の場合と同じく、核爆弾が既成事実化していたとしても傍観していただろう。