リサ・スー氏(50)が6年前に最高経営責任者(CEO)に就任して以降、半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)がどれほど躍進を遂げたかは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で浮き彫りになった。米半導体業界で長らくインテルの後じんを拝してきたAMDはこのところ急浮上している。リモートワークを支えるデータセンターのサーバー向けAMD製品には注文が殺到。同社のプロセッサーを搭載したパソコンや人気ゲーム機は、巣ごもりする人々に飛ぶように売れている。旺盛な需要を受け、AMDは通期売上高の見通しを32%増に上方修正した。はるかに規模の巨大なインテルが最新型プロセッサー開発で失態を続ける中、AMDはサプライヤーと協力し、最先端の半導体製品の生産を拡大するとともに、インテル製品をしのぐパフォーマンスの優位性を維持するため、次世代プロセッサーの出荷を始める構えだ。