米政府は6日、金融面での米中の結びつきに狙いを定め、2連銃を撃ち込んだ。中国企業を米上場廃止に追い込む計画と、中国を代表するハイテク大手2社である字節跳動(バイトダンス)とテンセントホールディングスとの取引を制限する大統領令を打ち出したのだ。これに伴い、勝者の座につくのは、バイトダンスと人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の買収交渉を進めているマイクロソフトかもしれない。米市場から閉め出される中国企業の事実上の代替上場先になるとみられている香港証券取引所も、勝ち組に入りそうだ。今後の行方には多大な不透明感が漂う。上場廃止は、2022年の期限までに米国の監査規定を順守しなかった企業に対する制裁措置だ。順守拒否は長らく、米中関係に緊張をもたらす火種となっていた。米国の監査当局である米公開会社会計監査委員会(PCAOB)によると、米市場に上場する企業で、監査の順守が確認できない283社のうち、251社は香港か中国に拠点を置く企業だ。米中関係の冷え込みに伴い、この問題は両国の争点に再び浮上している。