米半導体大手クアルコムはここ数年、耳を貸す人には誰にでも第5世代移動通信システム(5G)を売り込んできた。ここに来て、多くの人が聞き耳を立てている。クアルコムが7月29日に発表した4-6月期(第3四半期)決算は、めったにないほど投資家を沸かせた。決算にあわせて、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との法廷争いでついに和解したとの想定外の発表が行われたためだ。両社は特許使用料を巡って争っていた。ファーウェイは今や市場シェアで世界最大のスマートフォンメーカーだ。紛争が最初に明らかになったのは2017年半ば、クアルコムとアップルの法廷闘争が過熱していた頃だ。対アップルの訴訟は昨年和解に達したものの、ファーウェイ絡みの問題解決にはつながらず、その後、米中の貿易摩擦が激化したため和解は遠のいたかに見えた。