航空会社やホテルの経営陣にとって、新型コロナウイルス流行の影響で企業の出張が恒久的に減少するかどうかは、もはや問うべき問題ではない。むしろ、どれくらい減少するのかに焦点が移っているが、見通しは悲惨なようだ。観光業は少しずつ営業を再開し始めているものの、ビジネス旅行者はまだ戻ってきていない。企業支出管理アプリケーションのクーパソフトウエア(本社・カリフォルニア州)によると、7月最終週に企業が購入した旅行は前年同期比97%減少した。グローバルビジネストラベル協会(GBTA)がまとめた新型コロナ流行以前の推計に基づけば、2020年の航空運賃、ホテルの予約、レストラン、娯楽に対する支出の減少は世界全体で2兆ドル(約213兆円)を超す見通しだ。GBTA調べでは、今後1~3カ月以内に国外出張を許可する明確な計画がある企業は、調査対象のわずか10%にとどまっている。このことは2021年も、企業の出張がほぼなくなる可能性を示唆している。