新型コロナウイルスによる危機は、高級品業界の持つ者と持たざる者の差を拡大させている。上半期はほとんど全ての高級ブランドが20%を超える減収に見舞われた。店舗が閉鎖されたほか、客が旅行できなかったためだ。だが業界有数の大手ブランド、ルイ・ヴィトン、ディオール、エルメスなどは業界全体よりも持ちこたえ、危機に際して市場シェアを伸ばした。中規模のイタリア高級品メーカー、サルヴァトーレ・フェラガモとトッズは規模の勝る同業に比べさえなかった。そのブランドは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前に既に苦戦していた。デジタルマーケティングやeコマースへの投資不足がたたり、オンライン営業が顧客とつながる唯一の方法となったロックダウン(都市封鎖)時に特に影響を受けた。