低音障害型感音難聴
写真はイメージです Photo:PIXTA

リモートワークの最中
音声が二重に聴こえるようになった

(あれ、耳がへんだぞ。どうなってんだ)

 ヒトシさん(仮名・49歳)は動揺した。コロナ禍により、仕事はもっかリモートワークが中心。Zoomミーティングを終え、軽く雑談を交わしている最中だった。

 右耳だけ音声が二重に聞こえる。しかも金属音のように乾いた音で、頭半分に響く。通常の会話や背後の音に対して、ちょっと高めの音声を重ねたような感じだ。見え方にたとえるなら乱視のような…。ヒトシさんはひどい乱視で、裸眼で見ると30mほど離れた場所にいる人間は1人でも3人に見えるし、月はいつも2個から3個に見える。

「音声が二重に聞こえる」という状況は、会話相手が1人か2人なら大したことないが、それ以上になるとかなり鬱陶(うっとう)しい。それに、世の中というのは、たとえ家の中でも意外に音声が溢れている。

 テレビ、洗濯機、クーラー、PCのモーター音、台所で食器を洗う音、家族の話声などが、同レベルでキンキンと重なりあって聞こえ、聞き分けが困難になる。人間の耳には指向性機能があり、普通は溢れる音の中から聞きたい音だけをピックアップして処理してくれるようなところがあるが、雑音のせいでそれができないのだ。