製造業は通常、リセッション(景気後退)に襲われれば最悪の影響を被る業界だが、今回は様子が異なる。米供給管理協会(ISM)が1日発表した8月の米製造業景況指数は56と、7月の54.2から上昇し、3月に41.5まで落ち込んで以降の持ち直しが続いた。同指数は50を上回ると業況の改善を示す。ISM指数は景気動向指数で、業況が改善しているか悪化しているかの調査対象者の回答比率に基づく。従って、製造業の成長を測る大まかな指標にすぎない。ただ、米製造業が好調で、個人消費の伸びが追い風となっていることは、ほとんど疑いの余地がない。はるかに規模が大きいサービス部門の支出回復を相当上回る伸びだ。商務省が先週発表した指標によると、月間のモノの支出は2月から4月までに約15%減少したが、7月には2月の水準を6.1%上回った。一方、7月のサービス支出は依然として2月の水準を9.3%下回っている。これは過去のリセッションと状況が異なる。過去には大抵、サービス支出が持ちこたえる一方、モノの支出は落ち込み、回復にも長い時間がかかっている。