新型コロナウイルスによる重症患者の治療にステロイド薬を使用することで、死亡者が大幅に減少することが複数の研究を分析した結果で明らかになった。ステロイド薬の効果を示す研究はこれまでにもあり、今回そうした効果が裏付けられる形となった。分析結果は2日、米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された。合計で1700人の患者を対象とした複数の研究で、副腎皮質ステロイド薬を使用した結果、使用しない場合と比べて死亡数が大きく減少したという。世界保健機関(WHO)に招集された科学者や医師が分析を実施。一般に流通している副腎皮質ステロイド薬のデキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンの効果を検証するために2月から6月に実施された7件の研究を対象にした。分析の結果、重症患者への使用でステロイド薬が示した効果は比較的一貫性があったという。ステロイド薬を投与された678人の重症患者のうち、32.7%が死亡した。一方、通常の治療を受けるか、プラセボ(偽薬)を投与された患者の死亡率は41.5%だった。
新型コロナ重症患者、ステロイド薬使用で死亡が大幅減=研究
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