石炭は発電燃料として退場する運命にあるが、その前に何度か息を吹き返す場面もありそうだ。しばらく前から、より安価でクリーンな天然ガスが石炭の市場シェアを奪う状況が続いていた。だが、天然ガス価格が年初来安値より70%近く高い100万BTU(英熱量単位)当たり2.5ドルまで上昇した結果、形勢が逆転しようとしている。天然ガス価格は、家庭でのエアコン使用が商業向けの減少を補い、電力需要が予想以上に高まっているほか、供給が減少していることから上昇している。エネルギー企業は原油価格の下落で原油生産を停止しているため、随伴ガスの生産も止まっている。このところの価格上昇にもかかわらず、これまで何年も厳しい状況を切り抜けてきた生産業者は、増産に慎重だ。
天然ガス高騰で石炭回帰、退場はまだ先
米国の石炭発電のシェアは21年に増加する見通し
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