今年の米大統領選を左右する最も重要な30分間は、まだ訪れていない。運命の時は、9月29日に行われる初回のテレビ討論会の最初の30分間だ。民主党のジョー・バイデン候補にとって、この30分は自身が大統領にふさわしいことを証明する最大のチャンスとなる。トランプ氏を好きになれない迷える有権者に対して、トランプ氏から民主党支持へと切り替えることが安全だと説得する上でも大きな機会だ。単なる第一印象にすぎないが、そこで残した印象は、3回予定されている討論会の中で最も重要な部分になる可能性がある。なぜか? トランプ氏は現代の歴代大統領が誰もやろうとしなかったことを試みているからだ。つまり、由緒あるギャロップの世論調査で、大統領の仕事ぶりに関して一度も50%を超える支持率を獲得していない現職でありながら、再選を目指している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCが共同で行った直近の世論調査では、トランプ氏について個人的に「極めて否定的な」感情を抱いているとの回答がなんと44%にも上った。