経済は米連邦準備制度理事会(FRB)が考えていたよりも良い状態にある。だが、FRB当局者は歓迎していないようだ。FRBは16日、2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)の最後に、金利をゼロ近辺に据え置き、2023年までそれが続くとの見通しを示した。今回新たに示された経済見通しは、前回6月の見通しから先行きがいかに改善しているかを示す内容だった。10-12月期の国内総生産(GDP)成長率の予想中央値は前年同期比でマイナス3.7%とした。前回の予想ではマイナス6.5%としていた。10-12月期の失業率は平均7.6%と見込み、前回の9.3%から上方修正した。だがFOMC後の声明では、経済は年初よりもはるかに厳しい状態が続いていると強調。「インフレ率が時間とともに平均して2%の水準となるよう、当面は2%をやや上回るインフレ率の達成を目指す」と記した。これは、FRBが政策枠組みに最近行った調整に沿いつつも、大半のエコノミストがFRBの公式な声明に反映されるのは年内のまだ先と予想していた変更だ。