ネイサン・アンダーソン氏(36)は2017年、企業に関する懐疑的な記事の公表を開始した。その数カ月後には訴えられ、資金が枯渇し、生活費も払えない状況に追い込まれた。立ち退き通知を受けて、妊娠中の婚約者とともにアッパーマンハッタンの狭い2寝室のアパートから追い出されたという。「無一文で、最悪の状況だった」と当時の状況を振り返る。だが、アンダーソン氏が9月10日に公表した67ページの報告書に対する反応は違った。米電動トラック新興企業ニコラと創業者トレバー・ミルトン氏を巡る一連の疑惑を告発したその報告書により、同社株価は2週間で33%急落した。米証券当局や司法省はニコラが投資家に誤った情報を提供していなかったか調査を開始。21日にはミルトン氏が会長職を辞任した。ニコラ株急落で、アンダーソン氏と同氏の会社ヒンデンブルグ・リサーチは多額の利益を得た。ヒンデンブルグはニコラ株を空売りしていた。
ニコラ虚偽疑惑、空売り筋が告発するまで
67ページの報告書で株価は急落、米証券当局や司法省は調査を開始、会長は辞任
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