「あの記憶さえなければ」は勘違い?→あなたの苦しみを長引かせる“心のクセ”
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

辛い

【精神科医が教える】「落ち込みがちな人」が無意識にしている残念な“自己暗示”とは?『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)より
辛い時って、
「辛いことを思い出して辛くなる」
のではなく、
「辛い気分になってるから、
辛いことを思い出す」のよ。

アナタを縛り付けている
嫌な記憶が無かったとしても、
違う記憶が取って代わるだけ。  
そんなに一つの記憶に囚われなくてもいいのよ。

「気分」が記憶を呼び出すという真実

私たちは、つい「嫌な記憶があるから辛いんだ」と思いがちです。

しかし実際は、「辛い気分でいるから、辛い記憶が次々と浮かんでくる」という順番で心が動いていることも少なくありません。

つまり、原因は記憶そのものよりも、“今の気分”にあるのです。

記憶を変えても、気分が同じなら苦しみは続く

仮に、今あなたを縛っている嫌な記憶を完璧に消せたとしても、気分が落ち込んでいるままだと、別の嫌な記憶が頭に浮かんできてしまうでしょう。

人の脳は、今の感情に沿った記憶を探し出すようにできているからです。

だからこそ「気分」へのアプローチを

苦しみを和らげたいときは、「どの記憶を消すか」ではなく、「今の自分の気分をどう変えるか」に意識を向けることが大切です。

散歩をしたり、好きな音楽を聴いたり、信頼できる人と話したり――そうした小さな行動が、気分の転換につながります。

一つの記憶に囚われなくても大丈夫

辛さは、特定の記憶によって決まるのではなく、「今の心の状態」によって形を変えていきます。

だからこそ、「あの記憶さえ無ければ…」と過去に囚われすぎる必要はありません。

あなたの今の気分を少しずつ整えることが、過去への囚われから自由になる第一歩なのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。