25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2025年1月時点に執筆した『大学図鑑!2026』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

成蹊大生の生活と性格

 成蹊イメージをつくる一部の優等生たちは、社会のルールから外れたり、マナー違反なんて野蛮な真似はまずしない。決められたことをしっかり守り、疑うことを知らない。ただ、「なにをするにも嫌みがない。それが逆に腹立たしく思うこともある」(文学部生)。

 悪いことをしてはいけないという倫理観があるので、講義をサボった友達に、「なんで学校に来ないの?」と電話して、やんわりととがめるのもよくあること。普段はおとなしくて控えめなのだが、こういうことになると中学生っぽい熱意を見せる。

 当初は違和感を覚える一般学生たちも、そのうち感化されて、いつのまにか奔放な言動や行動を慎むようになる。

 このように、友達を学校に来させようとする裏には、「昼ご飯を一緒に食べる人がいないと困る」(経済学部生)という本音もある。成蹊の学生は、周囲から浮かないように気を使いがちだ。群れをなして行動し、流行ド真ん中の紋切り型ファッションを好む。

「春先は、見事にベージュのトレンチコートの女子しかいなかった」(法学部生)。男女ともにオシャレではあるのだが、アイテムのかぶり率は非常に高い。極端な金持ちはぽつぽつと混在している感じ。フツーの学生は、「小遣いは4万円くらいあれば十分」というのが一般的だ。

 第一志望が成蹊、というケースは稀である。MARCHのすべり止めで入学した学生がかなり多い。ただ、その「失敗」を引きずる人はほとんどいない。「受験の話は、タブーな雰囲気が漂っている」(文学部生)という話も聞く。高みに固執することなく、現状に満足している学生が多いのはたしかだ。

 親子そろって成蹊というパターンも多数。他大との交流は少なく、恋愛関係は自給自足が基本。カップル話になると茶化し合ったりするところは高校生風。