刺青を見せながら「誠意を見せろ!」
“輩”自宅への訪問謝罪の実録

 20数年前の春、警察から転職して間もないころの出来事でした。事の発端は、店舗の苦情担当者のもとに入った1本の電話です。

「おたくで買った商品を食べておなかを壊した。今すぐ謝罪に来てほしい」

 電話を受けた担当者は、その声に聞き覚えがありました。閉店間際の値引き商品を購入しては、何かとイチャモンをつけてくる常習者の声だったのです。店頭でも、その常習犯相手に冷や汗をかきながら何度か対応していましたが、その際、刺青をちらつかせながら凄まれて怖い思いをしていました。

 一筋縄ではいかない“輩”からの電話が終わると、担当者は「またか…」と自然とため息が出たといいます。

 そんな中で、警察から転職してきた「渉外担当」のことを思い出し、早速、応援要請が入ったのでした。

 こうして、私は、担当者と一緒に相手の自宅を訪問することになりました。訪問した古い6畳一間のアパートの真ん中にはちゃぶ台が置かれ、その向こう側には強面のクレーマーが鎮座しています。正座して頭を下げる私たちの言葉を遮るように、刺青の入った腕でちゃぶ台をたたきながら

「一体どうしてくれる」「責任とれ!誠意をみせろ!」と大きな声でまくし立て威圧しました。