これほどまでに大きな反響があるのかと驚かされた。

 2年余り「引きこもり」していた40代前半のAさんが、1年間に300社以上も応募し続けながら、採用が決まらなかったという話を前回の連載で紹介したところ、記事へのアクセスは20日現在、45万を突破。同じような体験をされている方々から、同じような内容のメールが、筆者の元に数多く寄せられたのだ。

 いまの日本には、離職したことのない人たちには想像もつかないような社会の課題が、目の前に立ちふさがっているのではないか。 

自分たちは、こういう社会に生きていることをまず共有することが大事なのかなと、改めて痛感せざるを得ない。

 そこで、寄せられた反響のうち、記事への引用をご了承頂いた方の声の中から、固有名詞等を特定されないよう、多少編集させていただいたうえで紹介する

30歳前に帰郷するが就活に苦戦
再度上京も就けるのはアルバイト、派遣だけ

 ≪現在50歳になる者です。私も掲載された記事の内容と同様の形で現在も求職活動を行なっております≫

 厳しい条件のもと、すでに8ヵ月にわたる再就職活動の合間に、こんな思いを綴ってくれたのは、Bさん。

 ≪大学卒業時に入社した企業で経営面での不安を感じ、入社1年半後に退職し、新たなスタートを切る事を決意しました。その後、自分の進むべき方向性が決まらないまま何社か転職を行いましたが、30歳を前に帰郷する事としました。その後、郷里で就職活動を行うも、バブル経済崩壊が始まった頃であり、思うような仕事が得られず、気づいてみると仕事らしい仕事もできないままに数年が経っておりました。

 流石に何年も定まった仕事がないことに焦りを感じ、37歳を前に再度、上京する事を決め、就業はすぐにできる事を約束の上で部屋を借り、就職活動を再開する事となりました。