米金融機関の間で、「企業に優しい」消費者金融保護局(CFPB)の時代が終わりを迎えつつあるとの懸念が高まっている。CFPBと和解に向けた協議を進めている住宅ローン会社やフィンテック企業は決着を急いでいると、事情に詳しい関係筋は明かす。背景には、大統領選で民主党のジョー・バイデン候補が勝利した場合、法令順守の徹底や制裁金といった当局の措置がさらに厳しくなるとの読みがある。CFPBはトランプ政権下では多くの面で権限が弱められたが、バイデン政権が誕生すれば、より積極的な役割を担うとみられている。金融業界にとっては、バイデン政権誕生に伴う最も差し迫った脅威となり得る。金融規制強化の推進団体「ベター・マーケッツ」のデニス・ケレハー最高経営責任者(CEO)は、新トップ下のCFPBでは「規制策定と執行の双方において、極めて迅速に大きな変化が起こるだろう」と述べる。「180度の方向転換が見えやすい数少ない分野の1つだ」