中国経済に関するものは全てが桁外れに大きい。金融サービス会社アント・グループが来月に予定する香港・上海の両証券取引所での新規株式公開(IPO)の規模も、過去最大となる見通しだ。それにしても投資家は何を買うことになるのだろうか。アント・グループは、馬雲(ジャック・マー)氏が創業した電子商取引大手アリババグループの金融サービス部門だ。今回は2証取に分けて計344億ドル(約3兆6000億円)分の株式を売り出す。このIPOでのアントの評価額は3130億ドルで、西側諸国の大半の銀行を上回る。こうした評価は全くおかしなものではないかもしれない。アントは、何億人もの中国の消費者が決済・銀行取引・融資・保険などのサービスにアクセスするために通るポータル(玄関口)へと成長した。その株価は、中国の中間層がとどまるところを知らないような拡大を続けるとの見立てを反映する。馬氏には消費者のニーズを長らく理解してきた実績がある。オンラインショッピング向けプラットフォームの成功がそれを示している。