ケビン・ウォーシュ氏は過去15年間の大半にわたり、米連邦準備制度理事会(FRB)が肥大化し、インフレ対応を誤り、独立性を損なっていると批判してきた。では、ドナルド・トランプ大統領からジェローム・パウエル現FRB議長の後任として指名されたウォーシュ氏は、この問題にどう対処するのか。彼は三つの重要な試練に直面している。第一に、市場を混乱させることなくFRBのバランスシートを大幅に縮小すること。第二に、インフレ率を2%まで押し下げ、その水準を維持すること。第三に、FRBの独立性を損なうトランプ氏の干渉なしにこれを実行すること。いずれも想定以上に困難な課題となるだろう。2006年から11年までFRB理事を務めたウォーシュ氏は、当時のベン・バーナンキ議長とともに世界金融危機への対応に当たった。バーナンキ議長が進めた「量的緩和」、つまり銀行に準備預金(電子的な資金)を供給することで賄われる数兆ドル規模の債券購入に反対して辞任した。08年から22年の間にFRBの資産は9000億ドル(約140兆円)から9兆ドルに増加した。その後、6兆6000億ドルに減少している。