エクセルマクロの挫折しない勉強法や仕事で使いこなすコツを徹底解説!
講師の寺澤さんはこれまでマクロを使って様々な業務を効率化させるなど、数多くの社内表彰を受けてきました。例えば、数十万行の元データから分析用データを毎週作成する作業。人の手だと1週間かけても終わらない作業ですが、マクロを使うと30分程で完成してしまいます。さらに自ら社内講座も主催、全くマクロを触ったことがない数百人を指導し、満足度98%と人気を博しています。近著『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』では、そのエッセンスを余すところなく紹介しています。
本連載では、エクセルマクロを仕事で使うための本当に必要な知識だけを、できるだけわかりやすく説明していきます。(こちらは2020年11月27日付け記事を再構成したものです)

初心者でも簡単マスター!「Excelマクロの学び方」4つのポイントPhoto: Adobe Stock

文系でも、プログラミング経験ゼロでも、マクロはできる!

 マクロとは、エクセルの操作を自動化するものです。事前にプログラミングしておけば、ボタン1つで瞬時に処理できます。皆さんが普段使っているエクセルに標準で組み込まれているので、いつでも使うことができます。

 僕は日系メーカーのマーケティング部と経営企画室で17年間勤めた後、外資系企業に転職しました。事業企画部に配属になり、もう3年がたちます。毎日のように資料作成やデータ分析に追われる中、マクロは業務の効率化に最も貢献してくれました。手作業だと何時間もかかる作業であっても、マクロなら数十秒で終わらせることができるからです。

マクロを使いこなしている人は、ITに強いのでは?と思われてしまうかもしれません。しかし安心してください。僕は経済学部卒の文系ですし、プログラミングをしたこともありませんでした。マクロに出会ったのは、20代前半の頃です。

 それ以前はファイルをいくつもデスクトップにダウンロードしては、1つずつ開いてコピー&ペーストをしていました。モニターが無数のエクセルで埋め尽くされて、どのファイルで作業していたのかわからなくなり、パニックになったこともあります。

 そんな仕事を変えたいと、マクロを独学しました。最初は、何から学べばいいのか手さぐり。自分がやりたいことをノートに書き並べ、その動きをするマクロを調べては転記していました。それらを組み合わせ少しずつマクロを覚えていきました。

 しかしこんな苦労をしなくとも、マクロは最低限知っておくべき知識とそれを学ぶ順番さえわかれば圧倒的に楽に学べます

 僕の20年以上の経験から「マクロ全体の1割程度を学べば会社の業務の9割以上はカバーできる」と断言できます。

 必要のない膨大な知識から学びはじめて、やる気も時間も無駄にしてしまうのは非常にもったいない。そこで僕は「マクロを完璧にマスターする」のではなく「マクロで少しでも仕事を効率化させる」という目的に絞って社内講座をはじめました。

 細かい知識の量よりも、普段の業務をするために必要な知識があるかが重要です。僕のマクロ学習法は「マクロを仕事で使うための、ポイントのみを押さえた省力的で効率的な学び方」に重点を置いています。

 仕事で使わない不要な知識を詰め込もうとしたせいで、せっかくはじめたマクロの学習を諦めてほしくない。その思いから、効率的にマクロを学ぶために大切な4つのポイントをまとめました。