米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン前副大統領は、北朝鮮との交渉で従来型アプローチに回帰する見通しだ。すなわち圧力を織り交ぜながら、同氏の言う「原則に基づく外交」を進めることになる。同氏にとって中核的な問題は、米歴代政権を悩ませた厄介な外交課題でいかに目立った成果を上げられるかだろう。バラク・オバマ前大統領は8年間翻弄(ほんろう)され、ドナルド・トランプ現大統領は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と3度にわたって首脳会談に臨んだ。北朝鮮が保有する兵器は今やかつてないほど先進的なレベルに達している。バイデン氏は、北朝鮮が米本土を射程に収めるミサイルの保有をみせつけたあとに就任する初の米大統領となる見通しだ。