米大統領選で当選を確実にした民主党のジョー・バイデン前副大統領には、法人増税など、自身が掲げる野心的な政策課題を巡り、強力な反対勢力が待ち受けている。バイデン氏の目標とは真っ向から対立する企業や業界を後押しするロビイストや顧問に転身した手の内をよく知る元側近らだ。米国内外の企業や業界団体を代表するロビイストがひしめく首都ワシントンの「Kストリート」。バイデン氏の側近の多くも今、ここで活躍している。そのうちの1人がバイデン陣営の選対部長を務めたスティーブ・リチェッティ氏だ。同氏は兄弟のジェフリー・リチェッティ氏とともに10年以上、ロビー会社を共同経営している。直近の大統領4人と比較して、バイデン氏はワシントン政界と強いつながりを持つ。44年に及ぶ上院議員および副大統領時代の産物だ。同氏は現・旧の登録ロビイスト少なくとも40人を自身の政権移行チームに迎えている。