ホリエモンが提案する「日本の突破口」医療の課題先進国から“解決先進国”に変わる方法堀江貴文

超高齢社会を迎えた日本は、医療費の増大や健康格差など“課題先進国”とされてきた。だが堀江貴文氏は、ここにこそ日本が変わる余地があると見る。国民の健康行動を可視化し、テクノロジーで後押しする仕組みを整えれば、日本は課題解決のモデルケースになりうるという。※本稿は、実業家の堀江貴文『日本医療再生計画 国民医療費50兆円時代の提言22』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。

なぜ日本人は
健康になれないのか

 日本の高齢化率は29%を超えた。2070年には4人に1人が75歳以上になる。この数字を見て、多くの人は「大変だ」「医療費が」「介護が」と騒ぐ。でも、私が注目しているのは別の点だ。

 これだけテクノロジーが発達した2025年に、なぜ我々はいまだに「病気になってから治療する」という20世紀的な発想から抜け出せないのか。予防医療の重要性は誰もが口にするが、実際に行動を変える人は驚くほど少ない。

 理由は簡単だ。インセンティブが間違っているからだ。

 現在の医療制度は、病気になった人に手厚い。健康保険で医療費の大部分がカバーされる。一方で、ジムに通って健康を維持している人には何の恩恵もない。毎日犬の散歩で1万歩歩いている高齢者も、家でゴロゴロしている人も、税制上は同じ扱いだ。

 これは明らかに不合理だろう。

 シンガポールの事例を見てみよう。彼らは「National Steps Challenge」という国家プロジェクトを実施している。市民は無料の活動量計をもらい、歩数に応じてポイントを獲得。そのポイントは現金相当のバウチャーと交換できる。