メリーランド州ホワイトオークの本社,FDAPhoto:Sarah Silbiger/gettyimages

 製薬各社が開発を急いでいる新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)は間もなく緊急承認に向けた審査を開始する見通しだ。順調にいけば、年内に医療従事者や高齢者などの限られた人々にワクチンが接種される可能性がある。

 米製薬大手ファイザーとドイツの医薬ベンチャーであるビオンテックは、共同開発するコロナワクチン候補の試験データを数日以内にFDAに提出する計画。米バイオ医薬品会社モデルナもすぐに後に続くとみられる。FDAはそれを受け、2~3週間かけてデータの分析に取りかかることになる。患者に懸念すべき副反応の兆候があるかどうかも調査の対象となる。

 その後、各地から集められた医師で構成する独立した諮問委員会が招集され、ワクチンの有効性 についてFDAに勧告を行う。この段階に進むのは12月上旬になるとみられる。

 諮問委員会は、ワクチンが特定の人種や民族、年齢層に対して安全で効果があることが示されているかどうかといった問題を検証する。