米株の活況を支えているのは、資産運用のプロも「ロビンフッド」の個人投資家も、誰もが過去10年に駆使してきた戦術にあるようだ。一つ、現金を抱え込んで市場に背を向けてはいけない。一つ、投資を手放すな、リターンはいずれついてくる。一つ、危機の発生は買いの好機。ダウ工業株30種平均は24日、史上初めて3万ドルの大台を突破した。3月につけた安値からの上昇率は62%で、新型コロナウイルス危機を受けたパニック売りを米連邦準備制度理事会(FRB)が阻止して以降、相場は想定外の底堅さをみせている。株式相場はまるで、コロナ禍やこれに伴う経済問題をものともしない、自己永続的な上昇局面に入り込んだかのようだ。今日の値上がりは確実に明日のリターン低下を招くとの悲観論もある。だが、現在の低金利環境下では、投資家の大小問わず、債券のような低リスク資産で利益を確保することは期待できない。そのため、指数連動ファンドを通じたパッシブ運用、または積極的な押し目買いの戦略であれ、投資家は相場の勢いが続くと見込んでいる。