うまくいかない不妊治療にコロナ禍が追い討ち…悩める「令和のDINKs」写真はイメージです Photo:PIXTA

Double Income(夫婦2人の収入)、No Kids(子どもがいない)の頭文字を取った言葉「DINKs(ディンクス)」。子どもを作らない選択をした共働きの夫婦のこと。しかし、一口にDINKsといっても、その選択をした理由は夫婦それぞれであるし、どのような生活を送っているかも夫婦によって違う。令和のDINKsのスタイルを探る。今回はシリーズ8回目。(取材・文/フリーライター ふくだりょうこ)

出会いは高校の教室 
友人関係を経て、遠距離恋愛に

 今回、お話を聞いたのはユウコさん(仮名)39歳。現在はフリーのWebデザイナーとして仕事をしている。夫のナオキさん(仮名)とは高校の同級生だった。
 
「高校2年のときに同じクラスになって、そこからずっと友人関係でした。大学は別々でしたけど、共通の友達と一緒に鍋をしたり、就活のときには情報交換をしたり」
 
 もともと互いに好意を抱いていたかというと、少なくともユウコさんのほうはそういうわけではなかった。「友人が多いタイプではないけど、長く続いている大切な友人のひとりだった」とユウコさん。

 しかし、ナオキさんはほんのりと恋心を抱いていたようだった。就職する直前に交際を申し込まれた。
 
「私自身は、恋愛に対して意識が高くないタイプで、今後も自分からアクションを起こすことがなさそうだな、とそのときに思ったんです。彼は人間として付き合っているととても楽しい人だし、これからも一緒にいられるのはいいな、と思いました」
 
 ごく冷静な判断に聞こえるが、人間として一緒にいて楽しい、というのは人生を共にするパートナーとしてはとても重要なことだ。
 
 そんな2人の交際は就職して間もなく、遠距離恋愛となった。