クリントン米政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めていた1990年代終盤、ジャネット・イエレン氏は政界でうまく立ち回る苦労について、夫で経済学者のジョージ・アカロフ氏に打ち明けていた。  当時見舞われた政治の嵐は、ここにきて再びイエレン氏の頭痛の種になりつつある。ジョー・バイデン次期大統領の財務長官に決まれば、イエレン氏は30年近いキャリアの中でも、最も政治色の強い役割を果たすことになりそうだ。米経済がちょうど岐路に立ち、ワシントンが深く分断される中で、バイデン氏の政策を策定・擁護していくことがイエレン氏の仕事になる。