機械学習アルゴリズムを使用して膨大なデータを解析するクラウドコンピューティングの能力は、データ集約的な気候科学の研究者を魅了している。「現状を一変させるものだ」と、英オックスフォード大学で博士研究員を務めるダンカン・ワトソンパリス氏は話す。同氏はアマゾン・ドット・コムのクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が提供するクラウドベースの機械学習アルゴリズムを使用し、貨物船から排出されるすすや硫酸塩などのエーロゾル(浮遊粉じん)によって雲がどう変化するかを研究している。こうした気候科学界のシフトを3大クラウドサービス会社は見逃さなかった。AWS、マイクロソフトの「アジュール」部門、グーグルの「クラウド・プラットフォーム(GCP)」部門はいずれも遠隔データ記憶装置やオンラインツールを定額制で提供しており、研究者らは自身でハードウエアを設置・維持するよりもそうしたサービスを利用した方が手頃な場合があると話している。