オーストラリアのワインメーカー、トレジャリー・ワインは長年、中国の新興富裕層の喉を潤すことで恩恵に浴してきた。豪中関係が悪化した今、同社はひどい二日酔いに見舞われている。中国は先週、政府の調査を経てオーストラリア産ワインに反ダンピング関税を発動した。豪政府は中国政府の調査結果を否定している。これには政治的な背景がある。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡り、オーストラリアが発生源に関する世界的な調査を呼び掛けた4月以降、両国関係は冷え込んでいる。トレジャリー・ワインを輸入する業者は、169%の関税を支払わなければならなくなった。ただ、同社が中国でワインを投げ売りしているとの見方は疑わしい。むしろ、中国はトレジャリー・ワインの高価格商品の主力市場となっている。
中国の豪産ワイン狙い打ち、メーカーに試練
ワインメーカーが許容できる選択肢は限られている
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