特別買収目的会社(SPAC)経由のスタートアップ企業の新規株式公開(IPO)がにわかに活況となっていることで、とりわけヘッジファンドなど一部の大口投資家が潤っている。これはSPACの初期投資家に特別な権利が付与されるためだ。SPACの人気が上がれば、早い段階で資金を投じたヘッジファンドは、リスクをそれほど負うことなく巨額のリターンが得られる可能性がある。こうした初期投資家には、マグネター・キャピタル、グレーザー・キャピタル、イスラエル・イングランダー氏が率いるミレニアム・マネジメントなどが含まれる。一般的な取引の仕組みはこうだ。ヘッジファンドはSPACが買収ターゲットを物色する間、最長2年資金を提供する。その見返りとして、損失リスクを最小化するため、買収が成立する前に投資を引き揚げることができる特別な権利を手にする。一方、SPACの株価が上昇すれば大きな利益を手にすることもできる。最初に株式と、ワラント(将来に特定の水準で株式を追加取得する権利)を受け取るためだ。