写真:ディスカウントデパートの商品大セールPhoto:Jeff Greenberg/gettyimages

 米消費者の多くは、潤沢な貯蓄を手に2021年を迎えた。これは今年の景気回復を大きく後押ししそうだ。

 昨年12月に成立した新型コロナウイルス救済策に基づき、大半の世帯には現金600ドル(約6万2000円)が支給された。比較的余裕のある家計は、パンデミック(世界的な大流行)期間中に支出を控えることで、貯蓄を積み上げている。

 ベレンベルク・エコノミクスの分析によると、米国民は2020年1-9月に1兆4000億ドルを貯蓄に回した。これは前年同期のおよそ2倍の水準だ。同社の首席エコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は、これは2019年の家計支出の10%近くに相当すると話す。

 同氏は「この異例のリセッション(景気後退)では、政府が前例のない気前の良さをみせてきた一方で、人々はお金を使うことができない状況に置かれてきた。つまり、資金を持っている上に、それを使う意欲もある」と指摘する。行動制限が解除され、人々が外出に不安を感じなくなれば「消費はかなり活発化するだろう――海辺は人でごった返し、パブも満員になるはずだ」とし、「5月か6月までには全開になる」と話す。