新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で細菌恐怖症に取りつかれたレイチェル・カーマックさんは、アップルのモバイル決済サービス「アップルペイ」を使うしかないと考えた。そうすればプラスチックのクレジットカードのようにボタンを押したりレシートに署名したりする必要がなくなり、単にスマートフォンをかざすだけで支払いができるようになる。しかし、その計画は思ったようには行かなかった。アーカンソー州ジョーンズボロでファストフード店のドライブスルーを2回使用した際、車の窓から手を出してスマホをかざそうとしたところ、店員にスマホをつかまれてしまった。また、注文品を受け取る前に店員にアップルペイの使い方を教えなければならないときもあった。「あなたはただ読み取り機を持っていてさえくれればいい。私がそこにスマホをかざすから」。カーマックさんは戸惑う店員にこう伝えた。